むかしむかし、あるところに
とても やさしい おひめさまが いました。
おひめさまの おしろには
あおい ぼうしを かぶった こびとの ウィルと
あかい ぼうしを かぶった こびとの パーシーが すんでいました。
ウィルと パーシーは にんげんに みつかると おしろを おいだされるので だれにも みつからないように こっそりと くらして いました。
ふたりは おひめさまが だいすき なので
かくれて おひめさまを たすけて いました。
おひめさまが かなしんで いるときは
いっしょうけんめい リンゴに おもしろい
かおを かいて、わらって もらおうとしました。
ネズミが かってに おひめさまの くだものを たべたときは たいじに でかけたことも あります。
あるひの ことです。おひめさまが
びょうきに なってしましました。
なんにち たっても いっこうに なおりません。
おいしゃさんが きて いいました。
「この びょうきを なおす には モーリュという しろい はなで くすりを つくらなくてはなりません。
しかし とても めずしい はな なので
どこに さいて いるのか わかりません。」
その はなしを きいた ウィルと パーシーは
しろい はなを さがしに いくことに しました。
ふたりは のはらを かけぬけ
もりの おくふかくまで さがしました。
きに のぼったり もぐらの あなの なかも さがしました。
しかし はなは みつからず そのうち かぜが つよくなり あめが ふって きました。
こびとたちは きの したで あまやどりを しました。
「あー おなかが すいたな。」
パーシーは そういうと ちかくに さいていた しろい はなびらを
ちぎって まるめて たべました。
「まずい!まるで くすり みたいだ!」
「くすり? モーリュの はなだ!」
しろい はなを ふくろの なかに
つめこんで おしろに もどりました。
こびとたちは おひめさまの へやに つくと
しろい はなを そっと テーブルに おいて はなれようと しました。
しかし おひめさまに みつかって しまい ました。
「おどろかないで ください。ぼくたちは
くすりになる しろい はなを とどけに きただけ なのです。」
おひめさまは にっこりと わらい
「ありがとう こびとさん」と いいました。
「むかしから ずっと わたしの
そばに いたのは あなたたち だったのね。」
おひめさまは びょうきから なおり げんきに なりました。
そして こびとたちの ともだちに なってくれました。
こびとたちは おひめさまの まえでは
もう かくれる ひつようが なくなりました。
おしまい











